Two of us

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西村智古

 

1987年 蒲郡市生まれ

 

#ギター好き

#実はロック好き

#タテノリ系

#30過ぎて体のメンテにヨガが欠かせない

#厨房でずっと映画観てる

#休みの日はずっと服と雑貨作ってる

 

#byの料理はすべて147㎝のこの

小さい体から生まれています。

 

 

西村郁弥

 

1986年 熊本市生まれ

 

#サッカー好き

#サッカー観てるとすぐ眠くなる

#読書好き

#本読んでるとすぐ眠くなる

#天気がいいだけで外に出たくなる

#犬と一緒と妻に言われる

 

#誤解されがちだけど僕は

店長ではなくバイトです

 


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acoustic book cafebar byと二人の物語

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こんにちは。acoustic book cafebar byの西村郁弥と申します。

 

妻の智古と2人で愉快に、カフェをやったり、モノを作ったり、映画を観たり、ギターを弾いたり、サッカーをしたり、お互いに好きなことをしながらのんびりした暮らしを楽しんでいます。

 

ここでは自己紹介がてら、夫婦二人でカフェをやることにした理由と経緯を、僕目線多めでお話ししようと思います。書き始めるとだいぶ長くなってしまいましたので、興味ない方は今のうちに戻った方がいいと思います。笑

 

 

 

【一緒にカフェをすることを決めたのは、付き合うよりも前でした。】

 

 

「夫婦二人でカフェをやって生きていく。」僕たちはそうした生き方を選びました。しかもそれを決めたのは結婚後でも結婚前でもなく、実は「付き合う前」だったんです。

 

 

愛知県の書店に一年違いに入社して同じ店舗で働くことになったのが、私たちの出会い。そのお店で二年間いっしょに働きました。仕事上の信頼関係があったことやカフェ好きだという話で盛り上がったりして、あからさまな好意ではなくとも、仕事仲間以上の近さは正直二人とも感じていました。笑

 

 

僕の方は大学時代に出逢った本の影響で、「いつか自分の本屋をしたい」という夢を持っており、智古の方は大学時代にお世話になった飲食店のオーナー夫妻に憧れていて、「私もいつかママみたいになりたい」という想いを持っていました。社内でも浮いていたと思います。こんな話ができるのもわかってくれるのも、お互いだけでしたから。笑

 

 

ですが、僕の方は書店業界に実際に入ってみて、個人が本屋として開業することの厳しさや業界の仕組みのもどかしさを感じることになりました。また、智古の方は女性が一人でお店をやって生きていくことの非現実さを肌で感じ、夢を見失いそうになっていました。

 

 

それでも、「やりたいことがあったのに、それをやらないまま歳を取って後悔することだけは絶対したくない」という想いは二人ともに持っていて、譲れないその想いゆえに、もどかしく苦しい若い日々を過ごしていたように思います。

 

 

そうした中で、お互いの夢は少しずつ形を変えて、「カフェ」というものに向かっていたように思います。僕たちの学生だったころ、カフェというものはまだまだ多くありませんでした。なので当時の僕たちには選択肢としてなかったのですが、にわかに増え始めこの頃になると仕事後や休日といった日常的に利用する場所へとなっていました。そうすると、おしゃれな空間や料理や居心地の良さはもちろんのこと、雑貨や本が多く並ぶカフェもできるなど、「カフェ」というものがただの飲食店や喫茶店ではなく、ある意味なんでもオッケーで多分の可能性を秘めたものであることに気づいたのです。

 

 

「本から多くのことを学んで、本にかかわる仕事をしたいと思い書店に勤めているけれど、ブックカフェという場を通して本の提案というのもすごくいいかもしれない。たくさんのカフェを見ておしゃれな場所を作って、そこでゆっくりと食事をして過ごしてもらいながら本も手に取ってくれる。その本の中から、少しでも人生をより良くするヒントに出逢ってくれたりなんかして、あぁいい一日になったなぁと感じてもらえる。そんな場所を作れたら最高じゃないか」。自分でお店をすることについて、「本屋」というものから「ブックカフェ」へと考え方が変化し、奥行きが出た感覚を覚えていました。

 

 

ある日の仕事後、二人でご飯を食べに行き、向かい合ってお互いの好きなことや夢の話をしていた時のことです。「あ~この人と一緒にいたら楽しい人生になるんだろうなぁ」という満たされた感覚になった瞬間、数年後一緒に笑い合っている光景が何枚も何枚も鮮やかな写真のように現れました。

 

 

夫婦になり、一緒に努力し、カフェを開く。そして、大好きな人たちと毎日笑顔を交わしながら、「今日も楽しかったね」と笑って一日を終える。そんな日々を、この人と一緒なら送れるかもしれない。

 

 

 

結婚して一緒にカフェやろう」。

 

 

それが、「付き合ってください」よりも先に出た言葉でした。

 

 

そして、二年後に会社を辞めてカフェを開く決意をし、夢に向かって一緒に歩き始めました。

 

 

 

【カフェオープンに出逢えたこと】

 

 

仕事後や休みの日には、二人でカフェをやって生きていくためにお互いの理想のカフェを擦り合わせていきました。そしてその理想から逆算して必要なことを一つ一つ決定していく毎日。

 

 

智古の方が先に仕事を辞め、カフェ開業のために3つの飲食店を掛け持ちして学びに行ってくれました。僕の方も、二人でカフェで生きていくと決めた以上、なんとか長く続けていけるように勉強を重ねました。

 

 

そんな中、グーグルを使って「カフェ  開業」「カフェ 経営」「カフェ オープン」などとキーワードを入れて検索している時に、僕たちがお店を始めるうえで絶対に欠かせなかった出会いがありました。

 

 

それが僕たちbyの心の師匠である幸田町の「カフェオープン」との出会いです。

 

 

カフェのやり方を調べようと「カフェ オープン」と検索して出てきたのが、幸田町のカフェオープン。本好きのオーナーが夢を叶えて出来たカフェであることを知り、興味を持たないわけがありませんでした。

 

 

冗談みたいな展開ですが、夢を追う中でこうした偶然のような必然は、誰しもが味わうことかもしれません。

 

 

初めて行った日から一瞬で大ファンになり、二人で何度もお店に行き、オーナーの伸太郎さんからたくさんのことを学びました。目の前のお客さんのために心を込めて料理や空間を作るイキイキとした姿。たくさんのお客さんから「ありがとう」をもらい、最高の笑顔を交わす日々。誰よりも大きい夢を描き、笑われながらも自分を信じて進んでいく背中。今まで出会った人の中で、一番衝撃的で、一番目指したい理想の大人がそこにはいました。

 

 

近くに、こんなにも僕たちの理想がたくさん詰まったお店があるとは思いませんでした。書店を辞めてから実際にbyの開店の日まで、伸太郎さんとオープンの皆さんには本当にお世話になりました。お店の作り方や続け方、リアルな数字の話も、ヒトを大切にして幸せにするということについても、カフェオープンと出会えなければ学べませんでした。

 

 

あの日たまたま、「カフェオープン」で検索しなかったら、僕たちのお店は存在していないか全く別のモノになっていたと本当に思います。

 

 

お化け屋敷みたいだったという場所をやったことなかったけれど自分たちで改装しておしゃれに作り上げたカフェオープンに倣って、僕たちも全くの素人でしたが店内の多くを自分たちで改装して、テーブルも本棚も作り上げてきました。楽しく嬉しくハッピーに過ごしてもらえるようにメッセージ付きの旗を料理に挿していたオープンに倣って、僕たちもいい一日になってほしいという想いと共にショップカードに絆創膏を付けました。

 

 

カフェオープンに出会えなければ、もっと味気ないお店だったと思うし、何度も来ていただけるお店にはなれませんでした。

 

 

 

そうした本当に大切な出会いを経て、2014年11月11日、僕たち夫婦の夢のカフェ「acoustic book cafebar by」はオープンすることが出来ました。

 

 

 

 

 【カフェが最適な理由】

 

  

冒頭に「夫婦二人でカフェをやって生きていくことを選んだ」と書きました。

 

 

自分の本屋をしたい、バイト先の飲食店オーナー夫婦のようになりたい、というお互いの夢からスタートした僕たち二人の人生。ですが、夫婦二人でカフェをすることには、それ以上に僕たちの歩みたい理想の人生が詰まっています。 

 

 

僕たちは共に人生を生きていくにあたって、三つのことを大切に生きていこうと決めました。

 

 

「夢を追う人生にすること」

「好きなことをして生きていくこと」

「二人一緒にいること」

 

 

カフェをすることは、自分たちの「夢」も「理想」も「大切にしたいこと」も全てを叶えてくれる手段だと感じています。カフェでなければ僕たちの望む理想の人生は送れないと言っても過言ではありません。

 

 

人が死ぬときに後悔することの最も大きなものの一つが、「やらなかったことへの後悔」だと言います。「あの時こうしていればよかった。」「あの時諦めなければよかった。」「あの時やっぱり夢を追えばよかった。」という風に。

 

 

もちろん夢を追ったからと言って、100%全ての望みを叶えられる人なんていないと思います。ですが大切なのは、できるかできないかよりも「やったかやらなかったか」だと僕たちは考えています。

 

 

できるかわからないけれど、やったら何か変わるかもしれない。もしうまくいかなかったとしても、やらなかったという後悔はないし、長い目で見ればやってよかったと思えるはず。何よりも夢は、そこへ向かう道にこそ充実感や満足感、ワクワク感がある。そう感じています。

 

 

だから、カフェを開くという大きな夢を追い、それが叶った時点でもう心残りはありません。笑

 

 

ですが、その夢はまだまだ途上のようです。オープンした後にも、内装やメニュー変化を加えていきたくなり、自分たちの好きなことや喜んでもらえそうなことや役に立てそうなことを加えてbyを育てていきたいなぁという思いがどんどん出てきます。夢は叶ったらどうなるんだろう?と思っていましたが、なくなるわけではありませんでした。夢が叶ったあともヒトは、より大きな夢やより良い変化を求め続けるものなのだと思います。

 

 

そして、それが出来るのもカフェを選んだからだと思っています。カフェというものの輪郭が広い分、いかようにもなれる柔軟性がカフェの持ついいところだと感じています。雑貨を販売してもいいし、写真を飾ってもいい。ワークショップをしたり、映画を流したり、部活みたいに課外活動をしたりするカフェだってあるので、たぶん好きなこと全部カフェを使ってやれるんじゃないかと思います。

 

 

カフェをやることは、あらゆる夢を叶える土台になってくれる。だからカフェをやることで次の夢は尽きないんです。

 

 

 

 

 

【好きなことで満たされた毎日のために】

 

 

楽しく幸せな人生にするために、僕たちはまず自分たちの楽しい時間、幸せな時間ってどんなものだろうと考えました。

 

 

そうしたら答えは簡単で、シンプルに「好きな人と一緒にいて、好きなことをしている時間」のことでした。楽しい人生にしたいなら、楽しいことをする時間だけで毎日を満たせばいい、という感じです。

 

 

自分で選んだ道とは言え、会社員として働いていれば好きではないこともしなければいけなかったし、疲れて好きなことをする時間も取れませんでした。疲労から来るストレスとも付き合っていかなければなりません。

 

 

たぶんそれが「普通」だと思います。そんなのが「当たり前」なのかもしれません。ですが、一度きりの人生でそんな日々を生きていくのはいやでした。後悔すると思いました。

 

 

僕自身、これまで本を通して「普通」でも「当たり前」でもないたくさんの素敵な生き方に出逢っていたことが、普通を躊躇なく受け入れることができない一因かもしれません。

 

 

 

そして僕たちは、「好きな人と一緒に居て、好きなことをしている時間」で毎日を満たそうと試みました。

 

 

お客さんが来れば大好きなカフェを営み笑顔を交わす。来なくても、自分たちで手がけた空間で、お気に入りのコーヒーを飲んだり本を読んだり映画を観たりギターを弾いたり、それぞれ何かを作ってお店をいじってみたり。休憩時間には昼寝をしたり芝生の広場にボールを蹴りに行ったり、海辺を散歩して気持ちのいい場所でコーヒーを飲みながら読書をしたり。

 

 

休みの日の話ではなく、毎日がこれなんです。

 

 

実際、楽しいことや嬉しいことばかりではなく、独立起業というのはお金もかかるし、日々の不安や違うタイプのストレスは尽きないし、裕福な生活はできません。(僕たちの場合は。)

 

 

それでも、足るを知り、好きなことで満たされた毎日を送ることはできています。

 

 

そしてそんな毎日に身を置けていることで、まだまだ死にたくはないけれどいつ死んでも悔いはなく自分の生きたい道を生きれたなという想いが常にあります。好きなことで満たされた日々は、それぐらい毎日に満足感を持たせてくれました。

 

 

好きな人と好きな場所で好きなことをして幸せに生きていく。そのためにも、まずはカフェという自分たちの好きなことを仕事にし、時間的な余裕の持てるこのスタイルが一番だったと感じています。

 

 

 

 

【共に生きていくということ】

 

 

好きになって、付き合って、結婚して、共に生きていきたいと想える人。そんな人に出会えるなんて本当に幸せなことだと思います。

 

 

そんな風に大好きになった人とは、片時も離れず一緒にいたい。僕はそういうタイプの人間です。

 

 

世の中には、さまざまなタイプの人がいて、「亭主元気で留守がいい」と考える女性や、「妻も子供も煩わしくて、家には帰りたくない」という男性もいます。結婚したとは言っても価値観の違う他人なんだから疲れることも多いし、ずっと一緒はしんどいという話も聞きます。

 

 

ですが、僕は(僕たちは?)全く逆のタイプなんです。

 

 

結婚後のある日、仕事に行く途中にふと、「夫婦なのに一緒にいる時間がなんか短くないか?」と思ったんです。思い返してみたら、朝起きて出勤するまでの一時間弱と、帰ってきてから寝るまでの二.三時間程度しか一緒に居れていませんでした。

 

 

いつも一緒にいたいくらい好きになって付き合ったり、付き合っているうちにそう思って結婚したりするのに、たったそれだけの時間しか一緒に居れないなんて。

 

 

それなら、一緒に仕事をして一緒にご飯を食べて、楽しいも嬉しいも、悲しいも苦しいも共有できた方が、より濃い人生を一緒に送れると思います。そういう時間を共に生きてこそ、一生を共に生きていくパートナーなのではないかと思うんです。

 

 

二人でカフェをするというのは、二人で片時も離れず覚えきれないほどの想い出を重ねていく歩んでいくという意味もあるんです。

 

 

 

 

 

 

【笑顔を交わせる場所へ】

 

 

ここまで、読んでくださった方は、いかに僕たちが自分たちのためだけにお店をやってるかという自己中心的な側面に気づいていらっしゃると思います。笑

 

 

世の中には、お客様の笑顔や地域社会への貢献を一番に考えて営業されているお店もたくさんあると思います。もともと素人ふたりの弱小カフェなのに、そういう部分でも敵わないお店がたくさんあります。ですが、今さら「本当はお客様のことを第一に考え、社会を少しでも良くしようと毎日頑張っています!」と無理するつもりもありません。僕たちが好きでやってることが少しでも誰かのハッピーに繋がれればいいけど、全員に喜んでもらうことなんて無理だろうなくらいの気持ちです。

 

 

それでも、一つだけ大事にしている想いがあります。それは、「たくさんの人と笑顔を交わして生きていきたい」ということです。

 

 

僕たちがカフェを好きな理由は、そこにたくさんの笑顔があることです。byを始める前に二人で行ったたくさんのカフェには、たくさんの笑顔がありました。リラックスして過ごしたり、充実した自分の時間を過ごしたり、友達とおしゃべりを楽しんでいるお客さんの笑顔。誠意と自信と充実感のある店員さんの笑顔。そんなそれぞれの人が、穏やかな笑顔を交わしている風景。こうしたシーンがカフェにはたくさんありました。

 

 

そしてacoustic book cafebar byというカフェも、来てくださるお客様が自然と笑顔になってしまう場所になりたい。そして、お客様と笑顔を交わして日々を重ねていきたい。その想いこそが、byをやっていく中での僕たちの信念です。

 

 

自然と笑顔になって笑顔を交わせるように、喜んでもらえるものをお作りして、提供したい。それを、料理・ドリンク・空間・本を含めた、acoustic book cafebar byというものの全てで表現していきたいと思っています。

 

 

お店というのはその人自身であって、それ以上のものは出せません。満足していただけるかどうかわかりませんが、このお店で感じてもらえることが今のところの僕たちのすべてです。

 

 

もっとbyが素敵なお店になるように、小手先ではなく自分自身を磨いていきたい。

 

 

たくさんの人に笑顔になってもらえるように。そして、たくさんの人とこの場所で笑顔を交わせるように。

 

 

そんなことを考えながら、byは今も長い道の途中です。

 

 

 

 

 【おしまいに】

 

 

こんなに長い文章を書いてしまいましたが、たぶん99%の人は読まないんだろうなという気持ちで書いています。

 

 

だけど、byを応援してくれている方、興味を持って読んでくださった方、カフェを開きたいなぁと思っている昔の僕たちのような方、そんな残りの1%の方たちに、少しでも正直に僕たちacoustic book cafebar byの経緯と考えとを楽しんでいただければなぁ、という思いで書いてきました。

 

 

飲食店の3割は3年以内に、9割が10年以内になくなると言います。そんな世界の中で永遠に続けるのは不可能で、いつかは終わりの日が来るのは間違いありません。それは自分たち自身の人生とも同じです。

 

 

だからこそ、たとえ今日が最後の一日でも後悔しないように、大好きな人と大好きなことをやって笑顔を交わす日々を送りたい。それが正解か間違いか今はまだわからないけれど、そんな人生を夫婦二人で歩んでいっています。

 

 

理想や夢に生きるのが難しいと言われる世の中。空気を読み、自己を消し、忖度を求められる現代。そんな閉塞的な中で、僕たちのカフェや生き方がわずかでも、何かのきっかけになれればこんなに嬉しいことはありません。

 

 

 

2018.5.23